---「取り戻せ、俺たちの青春を」---
我が部因縁のビッグイベント、新島夏合宿を8月8日~10日の3日間にて敢行しました。
そう、昨年は中止にもかかわらず約1名を病院送りにした狂気のイベント
本来の予定では8日~11日の4日間の開催。
東京理科大・上智大・日大危機管理の3大学合同開催、38名が参加。
今年は日頃の行いがお天道様に認められ、天候に不安もなく開催でき...
なかった訳であります。ソビエトがWW2当時最先端の縦深戦略理論を駆使した、空前絶後のバグラチオン作戦も真っ青の見事な縦深攻撃。
3段構えの猛攻勢を浴びることとなったエアソフト部の命運は如何に...
旅行記としてつらつらと記していきます。
集合場所は東京は竹芝の東海汽船客船ターミナル。JR浜松町から徒歩10分ほどで到着。伊豆諸島への玄関口となる桟橋で、東海汽船の「さるびあ丸」、「橘丸」、「ジェット船」が各路線に就航している。
東京理科大学前期期末試験最終日、8月8日の21時30分集合。二部生の試験は21時10分までなのでかなりのハードスケジュールだが、悪いのはうちではなく東京理科大学。
集合場所の写真を準備し、旅行のしおりも用意したが、そこは基本的に日本語が苦手な愛すべき理科大生、期待を裏切らない。
部員「青い橋にいるんスけど、皆いないスけど集合場所どこっスカ?」
やっぱ国立理系は国語と英語がカギを握るってことか...
21時10分まで試験を受ける部員がいる中、23時出航(22時30分最終受付)ということになったが、無事に全員集合し手続きを終えることができた。かなり冷や汗をかく。
手荷物預けなどで多少トラブルも発生したが、時間に多少余裕を持ち待機場所に整列を完了、しばしゆっくりした時が流れる。
そうこうしている間に乗船アナウンスが構内に響き渡り、人の波が動き始めた。
乗船を待つ皆の顔には修学旅行の中学生のような、期待と興奮にあふれた笑顔。少なくとも今年はここまで来れたかと感無量である。
最も、台風予報には終始ビクついていた、どう考えても悪い予感しかしない。
乗船する東海汽船の大型客船「さるびあ丸」は今夏公開の映画「天気の子」にも登場した貨客船。劇中では伊豆七島のいずれかを出身とする主人公が東京へ向かう冒頭シーン、そして終盤にも登場する人気者。
長年にわたり伊豆諸島と東京のヒトとモノを繋ぐさるびあ丸の姿には、頼もしさと力強さを感じる。
満足な荷役設備のない伊豆諸島の港湾でも荷卸しを行う為、貨客船の名の通り船首にはクレーンを装備し、コンテナを積載する。さしずめ伊豆諸島の大動脈と言ったところか。
2019年現在でも、伊豆諸島の物流は東海汽船、神新汽船、伊豆七島海運の3社の貨客船や貨物船のみが支える。海が時化て運航が止まれば物流自体もそれに続く。天候によっては島自体に渡ることができない---科学技術の発展した令和の時代でも、人間は天気一つに左右されるのだ。
目的地新島までは季節によって異なるが、おおよそ8時間30分を要する。東京から直線距離で170㎞の島だが、沖縄に行くよりも時間はかかり、心理的な距離は長いかもしれない。
出航と同時に飲み会が始まる。皆ドリンクの用意だけは大変よろしいようで各自思い思いのドリンクを片手に東京の夜景を眺める。
行先こそ同じ東京都だが、しばらく見納めとなる風景。夜景は程々に、談笑の歓声が街の灯りに消えていく。
東京出航後、羽田や川崎の工業地帯、横浜の灯りに照らされつつ東京湾内を南下。湾外へ出たのはおおよそ2時間後、突然大きな揺れに遭遇し外海を航海していることを実感した。
深夜にもなると船内は消灯し、カードや談笑をする部員たちも各自ベットへもぐり、明日への期待に胸を膨らませる。
往路は2段ベットを備える特2等客室。実は予約が遅れたため2等座席が確保できなかったから、という理由での選定になったが体力回復や快適な船旅等、非常に恩恵は大きかった。来年も絶対往路は特2等!
さるびあ丸は順調に航海を続け、明朝午前5時、日の出と共に大島の岡田港へ入港。
美しい朝日は、台風の影響で強い風と共に合宿2日目の始まりを告げる。
岡田港はまさしく良港ともいえる造りで、伊豆諸島の中でも同じ島内の元町港の次に大きく、そして悪天候や高波にも強い港。悪天候に備える為、一島二港方式で貨客船の就航率97.5%を目指した結果、元町港の補完港として機能している。
入港と同時に送迎の車両が島内から港へ続々と降りてくる光景は、島の人々の営みを感じさせ感慨深いものがある。島はさるびあ丸の入港と共に動き始め、集まった人々は船が出港するとまた島内へと散って行く。
20分ほどの停泊を終え、さるびあ丸は大島を出港し次の寄港地、利島へと向かう。
利島は人口341人ほどの非常に小さな島で、訪問する下船客は専ら釣り客の模様。
椿が生い茂り、非常に美しい形をした島で、島とは文字通り海底山脈の「山頂」なんだということを思い起こさせられる。
利島には港は1つしか存在せず、防波設備も充実していないため接岸率は83%(接岸率とは船が港に接岸できた割合のこと)。伊豆七島では御蔵島に次いで低い。
利島を出港したさるびあ丸は一路、新島へと舵をとる。
部員たちはまだ見ぬサバゲーパラダイス、新島へと期待を膨らませ、いそいそと身支度を始めた。
(新島夏合宿 前編 終)
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